てるてるぼーず。

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*** ――少女の家―― 「いや~! 助かったよ! 空腹でさ迷ってたら倒れて川に流されちゃってさ。 どうなるかと思ったよ。 ワッハッハッハ!」 少女の家で風呂に入り沢山のご飯を食べ大満足な青年は呑気に笑う。 「笑い事じゃないわよ。 水かさ増してる川に飛び込むには命がけなのよ。 しかもびっしょりだしさ」 着替え終えた少女は眉間にしわを寄せた。 「このご恩、必ずやお返しする」 またもや青年は深々と頭を下げる。 どうやら義理がたい性格のようだ。 「そんなのどうでもいいわ。 服乾いたら出て行ってちょうだい。 貴方がいると調子が狂うの」 青年のアーマーを手渡して少女は溜息をついた。 「俺はだアリトっていうんだ。 名前は何と言う?」 青年はアーマーを装着しながら自己紹介をする。 「あたしはミオラ・スクルよ。 またもやどざえもんになる前にお帰りなさい」 アーマーを装着し終えたアリトを見るなり少女・ミオラは嫌そうな顔をする。 「…………」 アリトを一点を見つめミオラの言葉は上の空のようだ。 「ねぇ、聞いてる?」 話を聞いていないアリトにミオラをムッとする。 「これ……」 窓際にずらりと並んでいる大小さまざまなてるてるぼーずを指さしアリトは不思議そうに首を傾げた。
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