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自我を持たせてはいけない。 効率面しか見ていなかった人類がそれに気付いたのは、世界中から『自然』が消え去った後だった。 「助けてください。人類を、世界を」 大地や木々を塗り潰して『自然』をしっかりと舗装した後、次に狙われたのは『生物』で。 「お断る」 灰色の化け物への対抗手段は、ただ一つ。 世界で唯一自然が生き続ける森に暮らす、不可思議な少女の力だけが頼りだった。 「世界とか人類とか、そんな重いモノ背負いたくない」 正直、駄目なのは分かっていた。 今まで世界が彼女にしてきた理不尽な仕打ちを考えれば、快く引き受けてくれる訳がないことくらい。
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