序章  文学と変態について

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  「もう……変態……って言っちゃいますよぅ?」 少し不満を込めた声で、あたしはそう言う。 やたら風通しの良いスカートが恥ずかしかった。 思わず手で裾を引っ張ってしまう。そんな事しても伸びるわけないんだけど。 もう……こんな短いスカート選んだの誰なのよ……。 「ご……誤解だじぇい……べ、べべべつにお尻を触ろうとしたわけじゃ……」 ドギマギとしながらそんな謝罪を口にするエビ君。 笑顔を作ろうとしているのか口の端が痙攣していた。 「あの……もっと……優しく……触ってください……」 「……お、おう……」 「でも……あんまりにも変なとこ触っちゃ嫌なんですからね……?」 「ま!まままま任せるじぇ!」 「はい……じゃあ……」 あたしはそっとエビ君の胸に手をあてる。 彼は恐ろしく不器用な様子であたしの背中へと手を回し――抱き寄せようとするが、しきれてない。 「くぅ……い……あ……」  
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