第1章

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ギターは想像より私にとっては難しかった。 弦を指で押さえるのも四苦八苦。 なかなか上手くいかない。 どうしてここまで指が動かないんだろう。 自分の中で焦りが増してきてしまった。 瑠偉の顔が見れずにいた。 どうにかして上手く弦を押さえたい。 「ランさんは手が小さいのかもしれませんね。 私に手を開いて見せてもらえますか?」 瑠偉から話しかけられる顔をあげると 優しい顔つきの瑠偉が私を見ていた。 私は瑠偉に方へ手を広げて見せてみた。 「あ~、やっぱり。 ランさんは女性の中でも手が小さくて華奢ですね。 これでは弦が押さえにくいですよね。」 私の手を見ると瑠偉はそう言った。 小さいのか…。 私の中で不安と心配が湧き出てきた。 弦が押さえにくいという事はギターを習えないのだろうかと。 思わず口にしていた。 「私はギターを習うのは無理ですか?」
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