賢き愚見の愚犬

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睡眠不足を自慢する輩も多い。承認欲求でも満たされずにフラストレーションでも起きてるんだろう。逃走、敢えての誤認、開き直り、色々だ。今日は三時間しか寝てないの。じゃねえよ。自己管理の拙さを自慢するな。うう、ううむ、偉そうだった。反省反省。 僕としては予定表を埋めるのを求めているのではなく、予定表に隙間を作る能力が必要だと思うのだ。 僕は先輩の先輩の先輩から聞かされた大事な話がある。バブル時代の人々は楽をしていた訳じゃない事を知らない人々がいる。近年バブルを楽に稼げる時代だと誤認している人々がいる。それは違うのだ。バブルでは皆が働いていた。寝る間もなく働き蜂のように、馬車馬の如く働いていた。仕事の鬼だ。皆が働き、皆が少ない休みに金を惜しまず放出する。仕事の鬼か、僕ながら面白い比喩だ。 鬼は退治されたか、山に追いやられたか。鬼は人拐いに山から里に下りる訳だが、休みに金を使い、経済の循環が良かった。会社の利益が上がるし、給料も上がる。国は調子に乗り、無理が祟って倒れたのだ。桃太郎が、犬、雉、猿を引き連れ鬼を退治したのだ。 バブル時代の人々の生き方は危なっかしさがあるものだが、間違いなく輝いている。近頃それは少ない。
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