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慶「…………」
慶樹は楓の前にスタスタ歩く
楓「あの……慶樹」
慶「……ん?」
慶樹は振り向いて足を止めた
楓はやや下を見ながらだが、チラッとだけ慶樹を見てお礼を言った
楓「ありがと……
ついてきてくれて……」
慶「…………どうせ意地でも行ってたよ楓は」
慶樹の少し溜め息をついた口調にムッとした顔で楓は言った
楓「どうしてそんなことが分かるの~?」
慶「そりゃ……
お前が箒根 楓だからだよ」
慶樹はまた前を歩きながら続けた
慶「箒根 楓のことはよく知ってる
意地っ張りなことも……こう言うと、少しだけムッとすることもな」
楓「慶樹………………(笑)」
楓は自分の中にない自分のことも、しっかり受け止めてくれる慶樹の優しさに思わず笑みを浮かべた
楓(性格イケメンで、中身もイケメン……
こんな人、そうそういないよね~)
楓がそんなことを思っていると、前を歩いていた慶樹が足を止めた
楓「慶樹?どうしたの?」
慶「いたよ、あそこに」
慶樹が指差す先は本当に小さい丘でも登るかのような道が続いており、その頂上のベンチに腰掛けている2人の姿があった
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