第4章~宿泊学習~

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慶樹は楓に心配させまいとそう突き放そうとしたが、慶樹の言葉は逆に楓を怒らせてしまった 楓「関係ないって何!? 慶樹、俺たちは虹なんだよって言ってたじゃん! それなのに隠し事!?」 慶樹「知らない方がいい事だってある」 間髪入れずに返す慶樹に楓は複雑な顔を浮かべた 楓「……もういい」 昭人「お、おい楓!」 昭人は怒ってその場を去ろうとする楓に声を掛けるが、楓は振り返らずに歩いて行ってしまった 慶樹「………昭人」 楓を怒らせてしまったことに後悔しているのか、短い髪を掻きながら続けた 慶樹「楓を頼む……」 昭人「……貸し1だそ?(笑)」 こんな状況だからこそ、昭人は明るく言って楓を追い掛けた 慶樹「…………」 慶樹は誰もいなくなった事を確認して、そして……… ガンッ!! 壁を殴り手を震わせていた 慶樹(こんな風にまんまと操られたのは初めてか…… サッカーでも勉強でもチヤホヤされてきたからな、期待以上に応えられなかった事はあったがな…… ああ…こういう時の気持ちってどうすりゃいいんだ………) 慶樹はそう思いながら、湧き上がる気持ちを抑えられるようになるまでその場に立っていた
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