第4章~宿泊学習~

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慶樹「………」 慶樹は自分の怒りを抑えるため、冷静さを取り戻すため、旅館の中を歩いていた すると、出入り口で…… 夕紀「あれ? 確か昨日の……」 翔「おっ、篠さんの生徒じゃん(笑)」 荷物をまとめて帰ろうとしていた翔と夕紀に出会った 慶樹「……どうも」 軽く頭を下げる慶樹をジッと見る翔 翔「やっぱり似てるよな」 夕紀「静君にでしょ? 私もそう思う(笑)」 慶樹「……静さん?」 慶樹は誰のことか分からずに聞き返してしまった 慶樹「どんな人なんですか?」 夕紀「どんな人…… 冷静沈着で完全な理論派なのに、ある事に関してだけは頭より先に体が動いちゃう人かな(笑)」 夕紀は顎に手をあてながらそう答えた 慶樹「ある事?」 翔「お・ん・な・だ・よ!女! 君がそうだとは言わないけど、1つはあるだろ? 絶対に譲れない事とかさ!」 翔に言われた言葉を受けて、慶樹が真っ先に連想したのはサッカー しかし、サッカーはすぐに消えて 新たに浮かんできたのは楓の顔だった 慶樹「……ありますね、俺にも」 慶樹は頭を掻きながら口にした そんな慶樹に夕紀が笑顔で答える 夕紀「あるならそれを大切にしないとだめだよ? 時には間違ってないと思っている自分が間違ってると考えてみると、気が楽になるよ(笑)」
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