第4章~宿泊学習~

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楓「す、すごいね慶樹は…… 逆に何ができないの?」 慶「………料理とかかな?」 楓は慶樹のことを見て話しているが慶樹は目線を変えずにそう答えた 楓「女子が料理できないのはあれだけど、男子はいいんじゃない? それ以外がしっかりしてれば完璧でしょ?」 楓は料理について触れた時、一瞬だけ沙羅の方を見たがすぐに視線を慶樹に戻した 慶「……楓は完璧が羨ましいと思う人?」 楓「えっ?」 慶樹の質問が意味深だったのか、楓は聞き返した 慶「完璧ってのはそれ以上進歩しないってことなんだぞ? つまり完璧と思われる奴はそこが限界点なんだ だけど不思議と周りは完璧な奴に完璧以上のことを求める 当たり前だけど完璧とは終わりなんだ 求められても期待には応えられない そして…… 勝手に失望する」 慶樹の言葉にはどこか強さを感じられた 慶「その意味が……楓に分かるか?」 ここで慶樹は初めて楓のことを見た そして楓の目線を逸らさずに慶樹を見ながら答える 楓「分からないよ? でも慶樹のことは知りたいな」 楓は緑色のネックレスを握りしめて続けた 楓「慶樹がそう言うなら完璧は知らないままでいい でも……慶樹のことは今以上に知りたい(笑) これって……いけないこと?」 慶「…………別に」 そう言い残した慶樹はまた外の景色を見出した そんな慶樹の姿を見て楓はクスッと笑った
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