第4章~宿泊学習~

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慶「………………ああ 俺たちは小学校時代に知り合ってるよ」 慶樹は自分の記憶と楓の話を聞いてそう判断した 楓「そうなんだ…… やっぱり慶樹は私と…………」 慶「別に特別な関係じゃなかったよ」 慶樹はそう言ってベンチを立ち上がり何歩か歩く そんな慶樹の背中を複雑な顔をして見る楓 慶「ただ……約束を1つした」 楓「約束?」 ベンチに座りながら慶樹を見る楓に慶樹は振り返って目と目を合わせて言った 慶「俺がサッカーでテレビに出るのを見たいって言ったから、俺は絶対出るって約束…… 楓が転校する時にそう約束した」 楓「慶樹……」 楓はそんな約束をしたことに対する驚きと、そんな大事な約束を思い出せない自分の申し訳なさの狭間にいるような顔をしていた 慶「だから……改めて約束してくれ」 慶樹はそう言って楓の手を持ち、自分の小指と楓の小指を繋げて言った 慶「俺はプロになる その試合をテレビで見てくれ」 楓「………………うん(笑) でもちょっとだけ内容変えてもいい?」 楓は安心した表情を見せて続けた 楓「私はプロになって活躍する慶樹をテレビだけじゃなくて、会場に行っても見ていたい(笑) それでいい?」 慶「…………勝手にしろ」 慶樹はそう突っ張ったそうに言いつつも、少しだけ嬉しそうな顔をした そんな慶樹の思いが分かったのか、楓はクスッと笑った
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