第4章~宿泊学習~

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楓「なっさけない奴ら……」 沙「グスッ、あ、あの……」 沙羅は泣きながら楓に頭を下げた 沙「あ、ありがと……」 楓「…………名前は?」 楓は先程までの怖い声ではなく、優しい声で沙羅に聞いた 沙「た、谷口 沙羅…………」 楓「沙羅ね… 私のことは楓でいいから!」 楓はそう言うと、沙羅に1つ提案した 楓「それにしても雑に切られちゃったね…… 私でもこんなハサミだから、上手くはできないけど応急処置はできると思うんだ だから、私を信じて髪切らせてくれない?」 楓はそう言いながら手で沙羅の涙を直接拭ってくれた そんな優しさにやられた沙羅はコクリと頷いた 楓「よし、いい子だね…… って、同級生相手に失礼か(笑) ちょっと待っててね?」 楓はそう言って沙羅の後ろに回り、ゆっくりと丁寧に髪を切っていった 沙羅は何気ないこの時間がかなり愛しく感じられた 絆ができた気がした 楓と……沙羅の………… 楓「はい、できた(笑) どうかな?」 楓はそう言うと、ポケットからおしゃれかつ小さな手鏡を出して沙羅に渡した 沙羅はその鏡で自分を見る 沙「長かったよりも…… 今の方がずっといい………」
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