プロローグ

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扉の前にかけられている札を手に取り、廊下に出る。 『就寝中』 そう表示された札を表にかけ、扉を閉めた。 深夜のホテルの廊下――。 誰も居なかった。 女はエレベーターの方へ、ゆっくりと向かい、エレベーターのボタンを押した。 ほどなくして、エレベーターの扉が開く。 美しい顔に冷たい表情を乗せて、女はエレベーターに滑り込む。 そのまま、女の冷たい表情をのこしたまま――扉は閉められ、静かに降りて行くのだった――。
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