プロローグ

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男の激しい動きと同時に、女の身体が、背中の蜥蜴が激しく動く。 突如、男の動きが止まった。 そして、一瞬震え――だらりと腕がベッドの上に落ちた。 女が舞うようにシーツを男から剥がす。 男の顔は、目を見開き、口がだらしなく開けられ――恐怖に歪んでいた。 その目を――口を――女は優しく閉じてやる。 まるでそれが慈悲だとでも言うように――。 それから、女は手にしているシーツを男の身体にかけてやる。 とん、と。 軽い音をさせながら、女はベッドから飛び降り、ソファーの上にある下着とドレスに手をかけた。
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