プロローグ

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下着をつけ、ドレスに足を通し、コートを羽織ろうとした時だ。 カバンの中に入っているスマホが鳴った。 スマホを取り出し、着信履歴を見て、女が舌打ちをした。 ――『佐多 亨』 「……はい」 不機嫌を隠しもせず、出てみれば。 『……よお』 悪びれもせず、男がそう答えた。 「……何?」 『何って……終わったのか?』 「終わった」 それだけ言えばわかるだろうと言わんばかりに、女は素っ気なく答える。 そのまま、スマホを切ろうとすると、スマホの向こう側から、間髪を入れずに、言葉がかえってきた。
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