プロローグ

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『終わったんなら、丁度いい。飯。一緒に食おうぜ。奢ってやるよ』 ――恩着せがましい。 女がため息を吐く。 「いらない。疲れたから、帰って寝る。明日は早出を頼まれたし」 『相変わらず、つれないなぁ……』 スマホの向こう側から、男が楽しそうに笑っている。 ――女のイライラは頂点に達していた。 『まぁ、お前さんに拒否権はないけどな』 男の冷たい声が、女の頭に響き渡る。 『来い。次の仕事の話がしたい』 有無を言わせない、男の冷たい声に女の感情が振り切れた。 「行きたくないって言ってるでしょ!!」
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