畦道

5/10
前へ
/125ページ
次へ
「イヴ様は物知りですね~」 マーニャさんがにこにこしながら言います。 「私ももう少し何か出来たらいいのになー……」 マーニさん、実はまだ悩んでいたようです。 表には出さないように心掛けていたようですね…… 私は少し苦い気持ちになりました。 今までの元気がカラゲンキのようなものだったと思うと…… いや、あくまでも通常の自分をオーバーにしていただけにも見えましたが。 「……じゃあ…………あなたがこれから 何かに向き合う切っ掛けになるであろう技を教えましょう」 マーニャさんがイヴさんを見つめます。 「……お願いします」 マーニャさんは少し固い表情になりましたね。 イヴさんもマーニャさんを見て何か思ったのでしょう。 自分が今このタイミングで技を教えようとしていることを、 まだ迷っているようです。 「いいのではないのでしょうか……教えても…… どのようなものかは解りませんが」 イヴさんが私を見ます。 「……そうね…………あなたが言うのならば 間違っていないのかもしれないわね。 じゃあ、マーニャ……まず手をかざして…………」 背中を押す発言をして良かったのでしょうか。 私までなぜか不安になってきました。 まぁ、大丈夫でしょう…… それにしても話が気になりますね。 雪さんもそのようですし暫く私達も聞きましょう。
/125ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加