畦道

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「ふぅ、ここまで来れば大丈夫ですかね」 私はイヴさんに話しかけます。 「ふぅ……そうね」 どうやら魔法を解かれたみたいですね。 それにしてもイヴさん、随分とお疲れのようですが…… 「大丈夫ですか?イヴさん」 「えぇ、大丈夫よ。少し魔法探知システムに手間取っただけだから」 おぉう、そんなものがあったんですか…… 「隠密は{闇}魔法なのだけれどもあのシステムを越える為に、 {中}魔法も併用して私達の存在を周囲と平均化したわ」 はぁ、よく解らないですけども、要は{闇}魔法で周囲の闇に紛れ、 {中}魔法でより私達の存在を闇と同化させたということでしょうか? 「{中}魔法で平均化させる空間の範囲は 広いほど私達の存在が薄くなるのだけれども、 範囲指定そのものは{空}魔法で一段階純粋な魔法なのよ」 えーと、小さな水入りバケツに1gの塩よりも、 大きな水入りバケツに1gの塩の方がより薄まるということでしょうか? 「……勿論他の人も魔法を発動する時、範囲指定をするのだけれども、 その時はその魔法、例えば{火}魔法ならその成分に {光}魔法{白}魔法{發}魔法{中}魔法{時}魔法{空}魔法{冥}魔法 と、上の系列の魔法は全て含まれているわ。 それを純粋に抜き出すのが大変なのだけれども」 う~ん、その上の系列全てで構成されたのが{火}魔法と言うことですね。 ということは、私達は無意識に{火}魔法を使う時に全ての成分を含めて 発動しているということでしょうか……?
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