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随分と走りましたね……疲れました。
「はぁはぁ……ちょっと休もうぜ」
アレフさんが音を上げます。
「……そうね、少し休みたいわね」
いつもは怒鳴り散らす飛鳥さんも今ばかりはアレフさんに賛同します。
イヴさんは周囲を確認してから、
「歩きましょう、真王国の関門もうすぐよ」
そう言って速度を落とします。
私もなかなか辛いです。
「……」
あぁ……雪さんが思いの外、グロッキーですね。
移動系の魔法を使いながらなんとか私達に付いてきていたんですが……
「雪ちゃん大丈夫?」
マーニャさんが心配します。
「えぇ……大丈夫よ…………」
少し心配ですね、見た限りなんとかなりそうですけど……
すると、アレフさんが……屈みましたね。
「……担いでやるよ」
雪さん、戸惑っていますね。
「……」
すると、にやにやと見ていたマーニャさんが雪さんの背中を押します。
「あっ……」
雪さんが転ぶようにアレフさんの背中に収まります。
「よいしょっと」
そのままおんぶされてしまいましたね。
雪さんの顔は真っ赤です。
飛鳥さんは面白くないような顔をしていますね。
「雪、お前軽いな~」
アレフさんがそんなことを笑いながら言うので、
それを聞いた雪さんはさらに縮こまって肩を掴んでいたのでした。
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