入国

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さて、着きましたね。 真王国側の関門です。 雪さんがアレフさんの背中から下ります。 「……ありがとう」 「たいしたことじゃないぜ」 なんとも勇者らしい行動です。 普通の人がしたら微妙な行動も、勇者なら罷り通る。 それこそが勇者!!おんぶなんて普通、女子に言いだせません。 雪さんもまだ顔が赤いままです。 「あなた達は何者ですか……お2人はエルフのようですね。 耳のピアスを見せていただけますでしょうか」 おっと、女性エルフが話しかけてきましたね。 見ただけでエルフだと解ったようです。匂いですかね? それにしても敬語ですね。共和国の兵士と大違いです。 イヴさんとマーニャさんが耳のピアスを見せます。 「……!!」 まぁ、そりゃあ驚きますよね。 国の5人の最高位の1人が目の前に居るのですから。 「えっ……えっとその…………」 どうしたらいいのか解らなくなってしまったようです。 新人さんですかね? 「て……宿命{テレジア}の導きに感謝いたします…………」 恭しい正式な礼ですね。 マーニャさんはお辞儀のような礼をし、イヴさんは毅然と立ったままです。 「……私の横に居るこの子が綾よ、聞いているわね」 すると門番のエルフが顔を上げずに話します。 「はい、伺っております。そちらの4人はどういう者でしょうか?」 「……ただのつれの者よ」 「かしこまりました、お通り下さい」 通れましたね。それにしても「ただのつれの者」とは?
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