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私は質問します。
「何で彼らを誤魔化したのですか?」
「……勇者御一行は、マーニャ以外私が居なければ真王国に入れなかったわ。
マーニャが定期集会に出席することがなければ、
あなた達は真王国に入らず、山道を抜けてそのまま魔王自治国に入っていた。
そうよね?」
するとマーニャさんが答えます。
「そうですね、イヴ様。まぁ、私だけは真王国に入る予定だったんですけどね」
へぇ、何か定期集会以外の用事でもあったのでしょうか?
それにしても……
「入れなかったとなると、勇者は真王国にとって敵ということですか?」
「そうね、討伐対象が魔王というだけで、真王国にとっては敵国の敵ね」
「え?入れていいのですか?」
「……私は法王よ。私が良いと言ったら大丈夫でしょう」
まぁ、確かにそれで大丈夫ならいいのですけど……
「だから、アレフ達。真王国に入れてあげたのだから
大人しくしていてくれないと困るわ。いいわね?」
「わかったぜ」
「わかったわ」
「……わかった…………」
「は~い」
何とも適当な返事ですね……
森林に居た時の返事と大分違う気がします。
アレフさんは目をキラキラさせながら周りを見ていますし、
飛鳥さんも自然と笑顔になっています。実は楽しみだったのでしょうか?
雪さんはいつも通りに見えますが、なんとなくウキウキしているみたいです。
マーニャさんは、難しい顔ですね。
久しぶりに母国に帰って来て、何か感じるものでもあるのでしょうか?
まぁ、とにかく、
アレフさん達が大人しくしている風に見えないのは私だけなのでしょうかね……
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