真王国領土

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私達は真王国の領土へ入り、 畑の広がる大地を真王国聖域中心を目指して馬車で移動します。 疲労が溜まっていたせいか、私は馬車に揺られながら寝ていたようです。 どうやら勇者御一行も寝ていたようで、 寝ていなかったのはイヴさんとマーニャさんだけだったようです。 一番近くの街に着いた頃にはもう夜中でした。 ここ辺りは眠らない街のようで、夜でも賑わいをみせています。 「この宿でいいわ」 イヴさんは馬を操る護衛に話しかけると、皆を起こします。 護衛は拝察して質問しました。 「この宿でいいのですか? この街には他にも良い宿が御座いますよ?」 「別にかまわないわ。これぐらいの方が落ち着くもの。 それに、国のお金でこの子達が泊まったとしたら、 この子たちの立場が無くなってしまうわ。 私は自分のつれだとしても、そういう所はしっかりしたいのよ」 勇者御一行のことを国賓扱いはしないのですね・・・ まぁ、ここに居ることがおかしい人達ですから仕方がないですけども。 それに、勇者御一行が目立たないためという気遣いと、 彼らに謙遜の念を懐かせないための気遣いを含めて、 最良の選択なのかもしれませんね。 「わかりました。今夜は私共も同じ宿に宿泊いたします。 何かありましたら御呼び下さい」 護衛のエルフは礼をすると受付に向かって行きました。 私達は寝惚けた勇者御一行を馬車から引き摺る様に下ろし、 護衛のエルフから渡された鍵を持って、それぞれの部屋に向かったのでした。
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