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私が目を覚ました時にはすでに日は昇り切っていました。
部屋を見渡すと、すでに朝食を食べているイヴさんが目に入りました。
「……おはようございます…………」
「あら、おはよう、よく眠れたかしら……」
私は生返事を返すとそそくさと顔を洗いに向かいました。
少し肩がこった気がします。真王国の慣れないベットだったせいでしょうかね?
寝惚けながら戻るとイヴさんは外を眺めながら言います。
「定期集会は今日の正午を回った頃よ、暫くしたら出るから準備をお願いね」
私は頷くとコーヒーにミルクを入れて飲みました。
なんかミルクが変な味ですね。
口直しに焼けたトーストに噛り付きながら、ふと気づきました。
「そう言えば勇者の皆さんは起こしたのですか?」
すると、イヴさんはコーヒーにミルクを入れながら答えます。
「起こしていないわ」
ふ~ん……そうなのか…………え?
「ちょっと、それ、まずくないですか?」
「えぇ、まずいわね」
そういうイヴさんは先ほどと変わらない体勢で、
ゆったりとコーヒーを飲んでいます。
「どう考えてもあの人たち寝起き悪いですね……起こしてきます」
私は少し慌てながら部屋の出口に向かいました。
……ただ、後ろからボソッと聞こえた、
「コーヒーはやっぱりブラックで飲むべきだったわ」
という言葉には、
「まずいのはコーヒーのミルクのことじゃないからね!!」
と、心の中で突っ込みをいれるしかありませんでした。
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