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イヴさんの食いっぷりときたら泣けてきました。
こんな……ご飯ぐらい養ってあげたいぐらいです。
隣に皿が積み重なっていきます。
紫織さんも経費的なもので涙目です。
屋根裏はステーキやら天ぷらやらの匂いでむんむんです。
おまけに焼けた時の煙で周りが見えません。
ひょっこり帰ってきた黒峰さんはその煙が目に効いたのか、
半ベソで下に降りて行きました。
「おいしいですね、ここのステーキ」
イヴさんがそんなことを言ってきて、
よくもまぁそんなに上品に素早く食べながら話せるものだと
変な所に感心しました。
「いいだろう、うちのステーキ、産地直送だからな、狩って焼く、それだけ、
だから出荷する分は残しといてほしいなぁ~……なんて」
紫織さんが「なけなしの交渉カードを」的なことを言っていたのは
あながち間違いではなさそうです。というか……
「え?出荷なんてことしてたんですかこのギルド」
「ん?あ~、依頼の中で草食獣10頭とかのは全部出荷用だな、
おかげでギルド資金は継続的に入り安定してるってわけだ~、すごいだろ~、
だから、今日はそれぐらいにして……」
さっきからの紫織さんはなんか少しかわいそうです。
「……歓迎パーティーで酒の方を飲もうぜ~、」
そうでもなかったようです。
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