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会話が途切れてからというもの、
山々から吹く風の音しか聞こえなくなり、
暫く風に当たりながら歩いていると、だいぶ酔いが冷めてきました。
私はさっきの紫織さんの話を思い出しながら、
両親に死因について何か心当たりでもあるのではないか。
それ以上に、なにか核心の持てることを知っているのではないか。
ギルドに来るまでは一度も合ったことがなく、
私の知らない新たな証言を引き出せると思いましたが答えてはもらえず……
それでも彼の職であるギルド長の枠で考えられることを思い当たりましたが、
これといった考えは思いつかず、
終始無言のまま狩場の奥へと歩くしかありませんでした。
暫くすると、
前方で止まってこちらを見ている白髪ショートヘアの女の子がいました。
確か私の歓迎パーティーでギターと思われるものを「べしっべしっ」と
音が出ていないのに弾き続けていた子に間違いないはずです。
前方の一団から離れ、わざわざこちらを待っていたのだと思います。
何か伝えたいことでもあるのでしょうか?
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