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次の日、私がもそもそと起きた時には日はもう少しで真上でした。
私は今回の山掃除で得られるであろうお金を足しても
どうにも生活が苦しいことに気づき、
お昼頃には掲示板によく依頼が張り出されることを思い出して
だらだら宿舎を後にしました。
私がギルドの入口から入ると、目の前には紫織さん、黒峰さん、イヴさん、
受付をしている沙羅さんがいました。
「お、今話しててさ、
さすがにお昼だし呼びにいこうかと思っていたところだったんだよね」
そう紫織さんが言うので「用事ですか?」と問うと、
「本当は朝に出発するのが一番なんだけどね~、
新しい気持ちになれるというか……でも疲れててもいけないからね」
なんだか何を言いたいのかわからない。
「というわけで今日からあややは旅に出ます、拍手!!」
まばらに拍手がおこる。
「……へ?」
我ながら何ともとぼけた声が出たものです。
「ど、え?ちょ……」
「今日からあなたは私についてきてもらうことになったわ、
手早く荷物をまとめて私のもとに戻ってきなさい」
イヴさんがそんなことを言い「ほら、走る」なんて急かすものだから、
私は全速力で宿舎に向かったのでした。
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