五明後日も続くだろう、やる気のない世界

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「銀桜華、なぜ貴様は我々の邪魔をするのだね? 共和国の人間であるお前が我々の邪魔をして何のメリットがある」 こんなでもさっきの怒鳴り散らす、黒ちゃんいわく「通称「ウルフ」」よりも 知り合いのベタな老人の方が良い。 俺は肌がベタベタしてそうな老人に真面目に答えた。 「言っとくけどさ、五老星のジジイ、 俺、世界平和望んでんのよ、共和国オンリーちゃうの、わかる?」 ジジイの眉間に皺が寄る。 「とにかくお探しの人物はここにはいないし心当たりもねぇ、帰ってくんね?」 俺がそう言うとジジイは少し考え、一瞥してから騎士団に首で指図し、 「後悔するなよ」 と、いかにもベタなセリフを吐いて引き上げていった。 最後までベタベタで嫌になる。 こんなことができれば日常であってほしくないものだ。 俺がそう思いながら振り向くと、ギルドの皆さんは複雑な表情をしていた。 「どうしたよ、追っ払ったぜ、なにか不満でも?」 この時の俺は少し苦笑していただろう。 俺がそう投げかけると、沙羅さんは心配したように 「あんな追い返し方で大丈夫なのですか?後で差支えませんか?」 そう言ってくるので、 「ああいうやつらはこんなベタな方法が一番なの」 そう言って溜息をついてみせた。そうすると沙羅さんは、 「あなたがいいのなら」というようなそぶりを見せ、周りも同調した。 俺は「すまんな」そう言って酒場の片づけに手を付けると、 「謝らないで」そう彼女が言うので、「そうだな」とだけ言い、 外に避難させた食器などの割れ物や酒樽など一式を酒場に戻していった。 勿論、彼らのベタな展開は読めていたので、用意周到で臨め、 彼らがベタなおかげで被害が少なくて済んだのだった。
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