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「あぁ……イヴ様、お美しい……」
どうやらマーニャさんはイヴさんに陶酔しているようです……
私が飛鳥さんの話を聞いているうちに本当に何があったのでしょう……
「綾、酒を持ってきなさい」
「はい……はいぃ?」
イヴさんの意外な一言に声が裏返ってしまいました。
「今から飲むんですか?」
「いいから持ってきなさい」
「……はい」
「あ~ん……イヴ様かっこい~……」
カオスになりつつある部屋をさっさと出て
エントランスに向かうことにしました。
すると、宿屋入口の方から声がします。
「ここに重要参考人である村雨綾という女が来ていると噂があった。
一つ一つ部屋を確かめさせてもらうぞ」
昼間に納屋の前を通って行った兵団です。
どうやら夜、共和国本城付近に戻ってから情報を聞きつけ、
真王国側まで来たようです。
私がやばいと思いイヴさんに知らせに行こうとした時、
さっきの主人の声が聞こえてきて足を止めました。
「申し訳ありませんが、一部屋づつ調べさせることはできません。
宿泊者にもプライベートがありますし、
我々が快適な宿泊を宿泊者に提供するのは当然のことです。」
「軍に逆らおうというのか、貴様、打ち首ものだぞ!!」
「……この宿は古くから共和国御所望の宿の一つです。それを証明するように、
現在魔王討伐のために共和国から派遣された勇者が宿泊しております。
このような勇者が現在宿泊している宿に重要参考人などという犯罪者が
居るわけがありません。どうぞ、他をお当たりください」
「その話本当か……本国に連絡をとれ!!」
部下らしき人物が水晶で連絡をとっています。
「……本当です隊長!!現在この宿には勇者が宿泊しております!!
間違いありません!!」
「そうか……主人、命拾いをしたな、
今急ぎでな、この宿を探す手間もお前を処刑する手間も省けたぜ」
隊長は捨て台詞を吐き、
兵団は騒音をまき散らしながら遠くへ去って行きました。
しゅ……主人かっこよすぎです……
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