騒動

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とうに日は昇り、私達が風呂に浸かっていると、 やはり、勇者御一行が朝風呂に来ました。 ん……あれ?なんでアレフさんが堂々と…… 私はイヴさんの方を見ます。 「タオルを巻き損ねましたね」 冷静にそう言います。 顔が固まります。 混浴でしたね。 「あ~、あなた達も朝風呂に来たんだ~、 今日もよろしくぅ~!!」 飛鳥さんが元気よく挨拶してきます。 「どうも……」私は短くそう答えます。 すると次に来たマーニャさんが、 「あ、イヴさん……昨日は……その……」 マーニャさんは酔っていた時の記憶が 残っていたようですね。 また不躾を働いて言葉に詰まっています。 「かまわないわ」イヴさんがフォローします。 すると次に来た雪さんが私達の状況に瞬時に気付いたのか 「アレフ……戻って」 そう言います。ですがアレフさんは、 「え?なんで? 」とずかずか入ってきます。 あっ……ちょ…… その時マーニャさんも気付いたのか、 踵を返し慌てて室内に向かって走りだしました。 タオルを取りに行こうとしてくれたようです。 でも、風呂場で走ると…… 「きゃあ!!」 飛鳥さんの前で転び、 彼女と抱き合うように飛鳥さんも転び、 後ろでずかずか向かってくるアレフに当たり転び、 その後ろの雪さんに……あー…… マーニャさんはアレフさんの股に顔を埋め、 飛鳥さんの右肘は アレフさんのみぞおちにクリーンヒット、 アレフさんの後頭部は雪さん胸に収まり、 右肘は股に肘鉄 雪さん涙目…… 「う……ぐふっ……なんだこの状況……腹痛っ」 勇者が悶える、ハーレムの中心で…… だがしかし皆さんを助けに行けない…… 「ちょ……マーニャちゃん大丈夫?」 飛鳥さんがマーニャさんを心配します。 そのマーニャちゃんは……固まっていますね。ガン見です。 雪さんの方を実は心配した方がよさそうなのですが…… 彼女、起き上がって女の子座りしています。 暫くうるうるタイムですね、あれは。
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