騒動

9/11
前へ
/125ページ
次へ
「だ……大丈夫ですか綾さん!!ボロボロじゃないですか……」 小雨の降る中、宿の前の私達が分かれたこの場所で、 飛鳥さんが心配して待っていてくれました。 雨が降ってきたので宿の中の散策をメインにしたのでしょう。 皆さんはまだ探しているようで、この場所には飛鳥さんしかいません。 「だいじょうぶです……飛鳥さん、冷えるので中に入りましょう」 私はそう言い、イヴさんに片腕を支えられながら歩きます。 イヴさんはお姫様抱っこしている雪さんを飛鳥さんに渡すと、 なんと私をお姫様抱っこしました。 「ふぇ!?……ちょ……イヴさん……」 私は内心焦りましたが、 小雨に濡れ、険しい表情が一層険しく見えるイヴさんを見て、 大人しく抱きかかえられたのでした。
/125ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加