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思いの外、箸が進みません。
勇者御一行と私達2人、5人で食卓を囲みます。
雨が強くなってきたので、結局宿屋の食堂で食べることになりました。
その方が雪さんの容体もすぐに確認にいけますし。
一応宿屋の主人の奥さんに頼んで見てもらっていますが……
「……うまっ!!この肉、何の肉?何肉?」
アレフさんが言います。全く空気が読めていませんね。
意外と引きずらない人間なのでしょうか?ケロッしています。
「……あんたねぇ~……このバカ勇者……」
飛鳥さんが呆れながら言います。
「は?なんか今バカなことしたか俺?」
すると向き直った飛鳥さんは少し涙目です。
「うおっ、な……泣いてんじゃねぇよ、なんだよ、引きずってんのかよ」
「ひ……引きずってないわよ!!イヴさんも大丈夫だって言ってるし……
……ね、イヴさん……」
飛鳥さんは不安そうに正面のイヴさんの方を見ます。
イヴさんはというと……料理に夢中ですね。
朝食を食べていなかったからでしょうか……?
凄く品が良い食べ方でステーキにがっついていますね……
「……えぇ……大丈夫よ」
一拍置いて返事が返ってきます。
どうやって話しているのでしょう?口の中一杯で……
イヴさんのあまりにも適当な返事に飛鳥さんは毒気を抜かれたのか、
「そういうことだから……いいからあんたは黙って食べてなさいよ!!」
そう言って料理に向き直ってしまいました。
「ちぇ……」
アレフさんの方は渋々料理に向き合い食べ始めましたね。
「……うまっ!!やっぱこの肉うまっ!!」
ダメですね、アレフさん……
永遠言い続けそうです。
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