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宿のエントランスには勇者御一行が待っていました。
和傘を差していなかったというのに雨に濡れていないイヴさんと、
全身ぐっちょりの私を見て、ぐっちょりな私の方を主に心配したようで……
「ど……どうしたんですか!?綾さん、びしょびしょじゃないですか!?」
飛鳥さんが少しオーバーに言ってきます。
うっへっへっ……美女がびしょびしょ……
「声に出てますよ、綾」
「にょ!?」
「……変な鳴き声も聞こえてきましたよ、大丈夫かしら?」
イヴさんの覗き込んでくる顔……かわいい……
にやにやが止まらない……
「実は中身はおっさんなんじゃね~の?」
アレフさんが余計なことを言います。
「そ、そんなことないですよ」
「……確かに……無かったわ、おかしいわね」
イヴさんが真顔でそんなことを言います。
「おかしくないです!!私は女です!!」
「自分で美女って言うのもなぁ~」
アレフさんがそんなことを言ってきます。
「自分で美女と言うと、美女の価値が下がりますよ~?」
飛鳥さんが何事もなかったと安心したのかそんなことを言ってきます。
私は対応に困り、
「も、もういいです!!お風呂に行ってきます!!」
私はそうふくれっ面で部屋に戻るしかありませんでした。
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