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「マーニャさん、元気ないですね、
そんなに思いつめなくても大丈夫なんじゃないですか?」
さっきからゆっくり服を脱いでいるマーニャさんに話しかけました。
「……」
こっちは見ましたが苦悶の表情ですね~、重症です。
「雪さんはもう気にしてないと思いますよ、
身体もイヴさんがきっちり治してくれましたし」
最初に転んだことをフォローします。
「……それは、いいんです、さっき彼女に謝りましたから…………」
ほう……、ではやはり本題ですかね…………
「……イヴさんに言われた宿命のことですか?」
「……はい」
ん~、考えものですね、私も「あなたにも宿命があるのですから」と
自分が泣いている時、雪さんを治療して出てきたイヴさんに言われましたし……
エルフに限ったことでもないようですし……
そう言えばエルフは宿命のことを{テレジア}と呼び大切にしてるとか……
人種全てに言えることでしょうけどエルフにとって宿命は、
とても大きな存在なのかもしれません。
「ゆっくり探していけばいいのではないでしょうか?
それまで引きずっていたって誰も咎めはしないと思いますよ。
しっかりとその宿命を背負いたいと思っているなら……」
マーニャさんがこちらを見ます。
「あなたは……こんな私を許しますか……?」
「許します、私はあなたを許します」
自分でもびっくりしましたが、即答していました。
「イヴさんも、なにも貶めるために言ったわけではないでしょう。
きっと何か考えがあって
今のあなたに必要だと思ったことを言ったのだと思います。
そんなに思いつめて欲しかったわけではないんじゃないでしょうか?」
イヴさんの思いを汲み取ってみました。
まぁ、あの人が何を考えて行動しているのか、
まだわからない部分が多いですが……
悪い人ではないことは確かです。
「わ……私は……少し焦っていたのかもしれません、ありがとうございます
気が楽になった気がします」
マーニャさんは私に礼を言って、風呂場の皆のもとへ駆けていきました。
私も……いつまでも脱衣場にいても寒いだけなので
早々に風呂場へ行きました。
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