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疲れましたね……こんなに疲れたお風呂は初めてです…………
「あ゛~……疲れたは……もぉ……バカアレフ…………」
飛鳥さんはぐったりですね。
「おぉ、少し疲れたな~、わはは」
それでも元気なアレフさん、勘弁してください。
雪さんは何も言いませんが大分だるそうですね。
マーニャさんはなんかにこにこしています。
まぁ……良かったんじゃないでしょうか…………
だらだらそれぞれの部屋に帰っていき、
私もイヴさんのいる部屋に入ると……!?
「おかえり」
「……えっと……ただいまです…………
……なんですかこの魔方陣の数………………」
お風呂に入る前までと同じ和室には見えないほど一面光る海……
「今ちょっと試したいことがあってね、地獄熱鎖をあの時使ったでしょう?
その技をもっと速く発動させ、
他と並行して作業しても負担の少ない魔法体系を考察中なのよ……
上手くいかないものね……
これ以上すると暴走して宿屋が吹き飛びそうよね~……
…………もう止めるわ……少し外に居ててちょうだい」
ぶつぶつ独り言のように言われて、部屋から出されてしまいましたね。
それにしても、ウルフの妨害による魔法の発動の遅れを、
すぐに改善しようという姿勢は恐ろしいものがありますね……
あれだけの魔法式を一挙に操って何度も試す作業は大変な労力です。
私がホンミョウタイセイの攻撃にかすって、
少し傷を負ったことを悔いているのでしょうか?
その後、軽い傷だったのですぐに治してもらいましたが。
きっと心のどこかに引っかかっていたのかもしれないですね……
「入っていいわよ」
そう中から声がして私が襖を開けると、
あぁ、前までの部屋ですね。当然ですが。
「アレフ達もお風呂からあがったのね。じゃあ仕度をして頂戴。
今から出発するわよ。そうね、アレフ達にも知らせてきて下さい」
「え?もうすぐ夜ですよ?今から出発するのですか?」
「あら、言ってなかったかしら?」
イヴさんに惚けられてしまいました……困ったものです。
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