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私は説明を要求しました。
「き、聞いていないです……
それに国境付近の中央干渉帯は獣達が沢山いますよ?夜は危険なんじゃ……」
「……実は今日の朝頃、
お風呂に入った後に出発しようと考えていたのだけれども、
雪さんのハプニングで出発できなかったわね?
別に雪さんを責める気はないのだけれども……
実はなるべく速く真王国に着きたいのよね~…………
真王国に入国してから宿を取ろうと思ったのだけれども、
綾、意外と疲れてたようでしたし……」
イヴさんにしては妙に良い淀みますね……?
なんででしょう?
「急がないといけなかったのですか?」
「……実は明日、真王国で定期集会があるのよ、
別に休んでも構わないのだけれども、
久しぶりに出たいじゃない?……法王として…………」
あれ?なんか酸っぱい時の顔をしてますね…………
渋い顔と言うか、今まで見たことない表情ですね。
なんだか気になります。
「何か嫌な事でもあるのですか?」
「……祇王がね…………無言の威圧というか…………なんでもないわ」
あ~、それは……嫌ですね…………
祇王……魔法学校時代に、共和国に居ても流れてくる
真王国の拡散宝晶放送を通して演説を観たことがあります。
毅然とした顔に優しそうな雰囲気を足したような、
分かりやすく表と裏のあるエルフに見えましたね……
悪い人ではなさそうでしたが、怒ると怖そうです。
「それは……間に合った方が良さそうですね」
「ええ、だから危険を承知で夜に中央干渉帯を抜けるわ。
それに、あまりここに長居をしたいわけでもないわよね……」
私は頷き、アレフさん達に伝えに隣の部屋に向かいました。
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