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家は燃えていた、放火である。こうこうと燃え続ける一軒家を眺めながら、私は帰宅する。
できれば、放火はしたくなかったけれど、私なりの墓標を作れなかったのだから、それともう一つ室内にガソリンを撒き散らし火をつけたのは、巻き添えになった女の子へのせめてもの罪滅ぼしだった。あんな死体を誰にも見られたくないだろうという配慮だった。
私は小説家だ。三流小説家の無名だ。でも、書きたいという欲求は日に日に募るばかりだ。そのためにはネタがいる。
そのためのアルバイトだ。私の犯行を、私の物語のネタにする。この世にはネタで溢れてる、テレビ、新聞、ラジオにニュース、だが、一番、効率がいいのは自分でやってみるとだ。
蚤のように溢れる事件は私にとってのはフリーマーケットそのものだ。
「あは、」
と、笑い、私は執筆するために筆をとった。さぁ、この物語を書き綴るために
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