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最近の若者はと言うけれど、なんとなくだけど、余裕がないのではないかと私は思う。広げた新聞紙には痛ましい事件が一面に掲載されている。被害者の女を絞殺しテルテル坊主のようにしてビルに吊した事件、クラスメートの女の子を包丁で襲撃し両目を潰した事件。それもどちらも犯人は未成年者だということがよりいっそうに騒ぎ立てているのだ。
仕事柄というか、日頃の日課として新聞を読むけれど、ここのところはこんなことばかりだ。もっと楽しい話題でもないかと物思いにふけりつつも、私は犯人の悲惨の犯行ではなく、その背景に目を向けるべきなんじゃないかと感じてしまう、その背景にはイジメや辛いことがあったと聞く、もちろん、彼らのやったことが許されるわけじゃないけど、余裕がなくなったせいではないかと思う。
誰だって根を詰めすぎれば気疲れするし、気苦労が過ぎれば身体が、心も壊れてしまうだろう。
結果ばかりを求められる世界、高い学歴、優秀な身分、有能な技能、失敗を許されず成功ばかりを求められる世界けれど、大人達は言う、自分達にもそんな時期にあったにも関わらず、最近の若者はと、バカらしいことだ。
どんどん規制されていく、あれもダメ、これもダメ、なのに結果を求められ、頑張っても褒められない。息抜きすることもできなければ苦しいだけ、なんて人事のようなことを考えていた。
子供の将来のため、立派な大人になるため、でも、そこに子供の意志はどれだけ汲み取られるのだろう? 大人の事情に子供はどれだけの我慢をしいられるのだろう? 息抜きの仕方もわからず壊れてしまうくらいなら、いっそのことぶちまけさせた方がいいなんて、独身の二十歳、前半の私が適当なことを考える。本末転倒ではないだろうか、もちろん、なんでもしていいわけじゃないだろうけれどと、ふと新聞の片隅にフリーマーケットの開催の宣伝が告知されていた。
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