呪い

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次に目を開けた時に見えたのは白いふわふわしたもの、ラグマットだった。 少し視線を下に向けるとルークがいて、淡いピンクのタオルケットに私と一緒に包まれて寝ていた。 「起きた?」 ゆっくり身を起こすと後ろから声がした。 振り向くと志帆さんがデスクから上半身を捻ってこちらを見ていた。 パソコンで作画をしている途中で、タッチペンを手に持っている。 いつもとは違う黒縁メガネ。デザインが宗介くんと似たメガネで、あまり顔立ちは似てない二人でもちょっと被る。 カーテンの向こうからは明るい日差しが照っているようで、まだ夜ではない。 ぼんやりとした思考で腕時計を確認すると、ちょうど十二時を指しているところだ。 「あの後、唯ちゃんすぐ寝ちゃったの。起こすのも忍びなくて。布団まで運べなくてそんなところで寝かせてしまってごめんなさい」 志帆さんの温もりの心地よさからあのまま寝てしまったなんて。 子供みたいな行動に恥ずかしくなって背中を丸める。 「い、いえ、私もいきなりすみません」 「シャワーでも浴びる?汗掻いて気持ち悪いでしょ?」 確かに。 夏の気候の中、一日そのままの身体はベタつきが気になる。 「じゃあ、お借りしていいですか?」 「ええ、場所は……」 「ルークが教えてくれたので大丈夫です」 そう言うと、ちょうどルークが目を覚まして「呼んだ?」というふうに眠気眼のまま首を傾げてくる。 「じゃあ、ゆっくり入ってきて。お昼も簡単に用意しとくわ」 「ありがとうございます」 志帆さんに頭を下げて私は荷物から着替えと洗面具を取り出すとお風呂に向かった。
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