佐野宗介という男

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夜、八時三十分。 仕事を終えた私は駅の改札にいた。 「唯」 不意に後ろから呼ばれてビクッと体が震える。振り返ると仕事帰りの佐野がスーツ姿で立っていた。 「お待たせ。行くか」 差し出された手。私はごくりと唾を呑むとおずおずとそれに手を重ねた。
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