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「じゃあ、蓮。今日からこの子のお世話係、よろしくね」
ある日、新しい母が持って帰ってきたのは白い子猫だった。
少し前にこの人の知人宅で生まれた猫を見に行った。
その時に貰い受けると言っていた子猫。
本気だったのかと思いつつ、キャリーバッグに目を向ける。
前見た時はキトンブルーにアンバーの色が仄かに混ざっていた。今は逆転してアンバーに若干の青の気配を残すのみ。
子猫と目が合うとビクッと震え上がって丸まってしまった。
元々動物好きなわけではないから、嫌われようとどうでもいい。
ただ、この家で自分の立場がどれほど弱いものなのか、子供でもわかっているつもりだった。
だから、子猫の世話くらいすんなり引き受けた。
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