第1章

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クローバーの生い茂るその広場の中心に少女は横たわっていた。 綺麗にお化粧をした顔はぬけるように白かったが頬にはほんのりと赤みがさしている、黒く長いまつ毛が並ぶまぶたを閉じ、ピンクの口紅を塗った唇にはグロスが塗られていて、朝日を反射してキラキラと輝いていた。 胸の下で組まれた手には赤い石のはまった指輪をはめている。 こんな所で何をしているのかしら。 女性は不思議に思いながらそっと近づいて声をかけた。 「あの~、大丈夫ですか?」 女性の声に少女は何の反応も示さない。 やはり寝ているのだろうか。 女性がためらいがちにもう一度声をかけようとした時、連れていた犬が少女に向かって飛びついた。 あっ! 慌ててリードを引いたが遅かった。 犬は少女の顔を思い切り前足で引っ掻いた。 「きゃあ!ごめんなさい!ごめんなさい!大丈夫?怪我は・・・・!」 飼い犬が他人に怪我をさせてしまった。それも女の子の顔を引っ掻くなんて・・・大変なことになる。 女性はひどく驚き、急いで犬の首輪を掴んで押さえつけ、大声で謝りながら少女の方に向き直ったところで、言葉を?み込んだ。
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