ショートケーキ

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地を這うような低い声で。 その上、カエルを睨むヘビのように恐ろしい目で塚田くんを睨むのは。 「ちょ、さや、もういいから!!」 同期で親友の、君島沙耶だった。 「何がいいわけ?コイツがまやに何かしたんでしょ?だから謝ってんじゃないの??」 可愛い見た目とは裏腹に。 男顔負けの気の強さに、死ぬほど口が悪い沙耶。その上、気性まで洗い沙耶は、気に食わない事があると止められない。 ーーー、もう…ほんと、ややこしい… 「いや、あの、俺が山元さんに偉そうに言ってしまって…、その…」 「はあ?!偉そうに、って?!何様なのアンタ!」 冴木くんばりに恐ろしいオーラを放ち怒り出す沙耶に、塚田くんはまた、完全に萎縮してしまったように半泣きになっていて。 「いや、沙耶、ほんとにもう終わったことだし、気にしてないし。あたし全然、大丈夫だから」 私の事となると過剰に敏感になる沙耶は恐ろしいほどに目がイっていて、慌てて止めに入った。 「ほんとまやは優しすぎる!!だから後輩にもなめられるの!!こんな社会の常識も知らないような奴、一発殴って二度と偉そうな口叩けないようにしてやりゃいいのよ!」 「いや、だから、私も悪かったんだし、もうほんとに気にしてないから」 完全に噴火してしまった沙耶は、今にも塚田くんに飛びかかりそうな勢いで。 そんな沙耶の勢いに、私まで焦ってきてまた慌ててフォローする。
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