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「二日酔い、マジでつれーから。それ以上飲んだらぜってー後悔するって!」
グラスを颯太くんに奪われてしまった。
二日酔い?
そんなの別にいいもん…
もうだいぶ頭も回らなくなっていて、軽く視界がぼやけてきていた。
「…むぅ……」
あぁ、喋るのもめんどくなってきた…
「あぁ、ほら、だから飲み過ぎだって言ったのに」
真正面に座っていたはずの沙耶はいつの間にかあたしの隣に座っていて、優しく背中をさすってくれている。
「…さやぁ…」
なんだかそれが無償に嬉しくて。
沙耶を呼ぶ声はすでに涙交じりになっていた。
「ん?どうしたの?気持ち悪い?眠いの?大丈夫??」
「……う、うん…らいじょー、ぶ…。…さや、……ごめん、ね…」
泣き顔を見せたくなくて。
そっと沙耶の肩に顔を埋めた。
「……まや…」
そんな不甲斐ないあたしを、沙耶は優しく受け止めてくれた。
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