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「ーーー、冴木くん、もういいから…」
半泣き状態の塚田くんはさすがに可哀想だし、他の社員からの視線も居心地悪いしと。冴木くんの腕を軽く押さえて止めに入った。
「やま、もと…」
「大丈夫だから、ね?ありがとう…」
小さく微笑みながらそう言うと、冴木くんの顔から少しだけ怒りが消えた気がした。
会社での風当たりが強いあたしをいつもこうして庇ってくれるのは冴木くんで。
同期だからか、影ながらいつもサポートしてくれて、気にかけてくれていた。
「…はぁ……。ほんとお前、人が良すぎなんだよ。後輩なんだから、間違ったことを言ったら怒っていいんだぞ?んで、嫌な事は断れ!悪くないんだから謝るんじゃねーよ!」
そしていつも、自分の事のように私の事を考えてくれる。
こうしてめげずに仕事を続けられているのも、冴木くんのように私を分かってくれている人がいるからなのかもしれない。
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