初めに

4/13

1人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ
5.林道(夜) S字カーブの路肩から谷を飛び越え、谷越えを狙った白いボディは 路肩ギリギリに着地。 弱い地盤と舗装が割れ、谷側の土ごと少し崩れ落ちる。 バランスを崩す白いマシン。 高速回転するローラー。崩れる路肩。 体制を立て直し、かろうじてインコースに走る白いマシン。 スピードが死んでいる。 忠実にカーブを回って来た緑のボディに追い付かれる。 緑のマシンはバランスよくアウトから追い越す。 スピードの乗らない重心の上がり切った白いマシンに 山側の腕を伸ばしてヒットさせる。 ガシャン という音と共に白いマシンを山側に弾く。 路面から離れる足。コンクリートで覆われた山肌へと吹っ飛ぶ白いマシン。 緑のマシンは外に伸ばした腕という姿勢をとって 次のカーブに突っ込んでいく。 白いマシンはあわや山肌に激突かと思われたが、一回スキップ。 空中で体をひねりそのままコンクリートの壁に着地。 足裏のローラーがボディを前に押し出す。加速。 滝を突っ切り、水飛沫を撒き散らす。さらに加速。 そのまま腰を落とし、コンクリートの壁から再び空を舞う。 道路と谷を越え、谷越えした先のカーブ、緑のマシンの前へと着地。 前後が完全に入れ替わり正明の視界から消える両マシン。 6.木立の間2(夜) 【モブ1】おいおい、ここ、一番のポジションだったな! 【モブ2】たまんねー!! 【モブ3】流石は曽根さんって感じの立体起動!!ばっちり撮ったぜ!! モブ3の手には大きめのビデオカメラ。 暗闇の中照明も無しに撮るための、業務用ビデオカメラ。 目の前で起きたシーンに度肝を抜かれる正明。 ぽかんとクチを開けている。 どこに隠れていたのか、10人ほどがわらわらと林道に出てくる。 皆興奮した口調で感想を述べ合っている。 【モブ3】また何時ものトコにアップしとくからよー! 誰に言うでもなく、大声をあげるモブ3。  おおー!よろしくなー  お前がアップしてるのかー  何時もありがとなー そこここから声があがる。 【モブ1】すげぇだろ? 正明の肩を叩いて、虫除けスプレーをかけていたモブ1は歩き出す。 【正明】な、なぁ、ありゃなんだ? 震えるように正明の口から言葉。 【モブ1】何言ってんだよ、メックバトルに決まってるだろー!! ★★7.タイトル、オープニング★★    ♪おまかせします♪
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加