初めに

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8.回想(夢) 【弘】 どうだい、マーちゃん。     今度はホースアビスのRS540にしたんだ! 【正明】ええー、そんな高いモーター、どうしたの? 【弘】 お年玉沢山もらえたんだー! 【正明】いいなぁ。     ウチも親戚いっぱいいたらなー。 【弘】 だからさ、ね、ちょっとレースしようよ!どんだけ早くなったのか     確かめたいんだ! 【正明】えー。負けちゃうじゃん 【弘】 なに言ってるんだよー。マーちゃんだって     この前ローラー変えた時勝ったじゃんかー 【正明】仕方ないなぁ。     でもお小遣いなくて、一回しか出来ないよ? 【弘】 大丈夫だよー、     一回勝負って男らしいじゃん! 【正明】うーん、じゃあウチに行って、取って来るよ! 【弘】 んじゃ、ミカワヤのコースに先にいってるよー 【正明】わかったー!! 「ミカワヤ」の看板。近所の玩具屋の店構え。 店内は模型の箱が並ぶ。 コースでレースをする子供達。 みなニコニコ顔、悔しそうな顔をする子もいて、仲良く遊んでいる。 コースは6本で、一本一本は壁で囲まれており 二足歩行のメックが思い思いのカラーに彩られ あるものはコースアウトしあるものは指先のローラーで壁をこすり 自動化された重心制御で腕を振りながらコーナーを駆け抜ける。 【弘】 モーターが早くなったから、     電池ボックスの位置を下げなきゃだめかなー。 【正明】ランドセルだとどうしても振られちゃうよねぇ。 【弘】 でも足に電池ボックスって、なんかかっこ悪いよねぇ。 【正明】でも、ほら、あの子の、かっこいいよ!     何んかミサイルポッドみたいな奴が付いてる! 【弘】 ホントだー。あれいいなぁ。     でも壁にぶつからないのかなぁ。 【正明】電池も小さそうだねー 遠心力で壁に張り付き、スピンするメック(玩具)。 そのままコースから飛び出し・・・ 白いマシンのシーンに切り替わる。 バランスを崩しながらも腰を落とし、とび蹴りの要領で重心移動をして コンクリートの壁に着地する白いマシン。 加速し、水飛沫を上げ、空を舞う姿。
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