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“あや・・可愛い俺のあや・・・俺はお前に子供を与えてはやれない、その代わり俺の全てを賭けてお前を愛そう、決してもう辛い思いは味あわせない”
喘ぐあやの白く綺麗な躯は、薄っすらと光り輝いているようで、無いはずの左手がシーツを掴んでいるようにも見える。
無いのは肉体であって、魂の形は美しくそのまま生まれたままの姿を保っていた。
“あや・・・愛してる”
気を失ったあやの柔らかな体を左腕に抱え、また少し体を離して見つめる。
“天女のようだ・・・”
いつも一度指でいかせてから、蜜を味わう。
そうしていると、その刺激でまたあやが目覚めて、それからゆっくりと一つになりもう一度あやを全身で感じ、二人同時にのぼりつめる。
あやは抱えるように後ろから攻めるとあっと言う間に絶頂に達するようで、最後は大抵その体勢で俺の腕の中で意識をなくして眠りにつく。
今晩も腕の中で何度も痙攣しながら可愛い声で叫び、失神したあやの体を盥の水でさっときれいにしてからまた抱き寄せ眠りに付いた。
至福の一時・・・・。
俺は19になっていた。
「兄様、今日は僕の初めての蟲斬りに付きあってくださるんですよね?」
弟 一太郎はもうすぐ13になる。
「一太郎、父上が同行するから、僕など行かなくても」
一太郎が首を振る。
「駄目です、付き合ってください、木賊にも僕の千手の勇姿を見てもらうんです」
弟が必死に食い下がる。
本当に同行など必要ないのだが、6つ離れた弟はいつも俺の真似をしたがり、俺に同意を求めた、母の琴乃は嫌っていたが、弟一太郎もまた言い出したら梃子でも引かない奴だった。
「判ったよ・・・」
そう言う俺も、年の離れた弟には弱かった。
義母、琴乃が甘やかして育てたせいかどうかは判らないが、弟は体が弱くしょっちゅう寝込んでいたりして、目が放せなかった。
「せっかくの晴れの舞台に寝込まないように、早く休んだ方が良いんじゃないか?」
「わかった!ではおやすみなさい」
可愛い顔で笑って、自分の部屋に戻っていった。
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