4(糸田家の人々)

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ふぁ~あ、よく寝た。 目が覚めてスマホを見る。 まだ6時かよ。 俺、早く寝過ぎたな。 三月最終日曜日。 決算月ではあるけど、もう、締日も終わったし仕事的にもやり切った感があるんだよね。 俺。 で、昨夜は妹が彼氏・・・もう婚約者でいいのか? とにかく二人で家に挨拶に来て、俺も気分よく酔っ払って速攻寝たんだった。 だからこんなに早く起きちゃったんだよ。 ったく。 まぁ、いい。 ひとまず、未読メッセージを読んでおく。 既読でスルーすると怒るから、おはよと返事だけしておこう。 誰にかって? 俺の恋人。 もうすぐ社会人一年生。 ピッカピカのフレッシュマンになる。 いったいどんな職業かって。 うん、俺もよくわからないけど、大手住宅会社の一般事務みたいな職業だったはず。 いそれはいいや。 取りあえず、朝ごはんでも食べるか。 隣の部屋に妹と次郎さんがいるからそうっと抜き足差し足で階段を降りる。 何で俺が気を使う必要があるんだろ・・・。 どうせ二人ともぐっすり寝てるよな。 裸で抱き合ってたりして・・・。 うげっ。 妹のそんな姿、マジ勘弁だ。 居間から明かりが漏れてる。 両親は朝が早い。 いや、いつ寝てるんだって感じなくらい起きてる。 年を取ると、早起きになるってのは本当らしい。
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