4(糸田家の人々)

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「おはよー。」 俺が居間に入って行けば、予想通りの光景が広がっている。 パソコンの前に二人並んでゲーム。 ネットゲームが二人の趣味。 父親についてはネットゲームだけじゃなくて、デジカメの写真を加工してみたり、ビデオを編集してみたりと色々とやってるけど母親は専らゲーム専用。 でも、この年でパソコンで抵抗なく遊んでるんだからなかなかやるよなぁって気もしなくもない。 「真一、美咲と次郎君はまだ寝てそうだった?」 「うん、寝てると思うよ。静かだったし。つーか、あの部屋、開けられないって。」 裸で二人が抱き合ってる可能性、大きいんだから。 「次郎君に良い物、プレゼントしておいてやったからなぁ。」 ニヤニヤして笑ってる父親。 どうにかしてくれよ。 「お父さん、何をあげたの?」 知らないのかよ。 俺も貰ったってのに。 「この前、真一にもあげた物だ。なぁ、真一?お前、もう使ったか?」 こういうこと、平気で聞いてくる父親なんだよな。 俺も人のこと言えないけど。 「真一、何を貰ったの?」 聞いてくるんかよ。 「あぁ、避妊具。次郎さん、使ってたりして。」 可能性について考える。 ありだと俺は思う。 美咲が大人の階段を登ってる途中って言ったし。 登り切ったかどうかは別にして。 「使ってない方が問題よねぇ。一応、結婚前なんだし。旅行にも行くような仲なんだから。」 「はっ?母さん、そこなの?」 「いい年してデキ婚なんて、お母さんは嫌よ?真一も気をつけなさい。」 振り向いて、俺に一言。 爆撃された感じ。 「はい、デキ婚なんてしません。ちゃんと避妊します・・・。」 いくつになっても親には勝てないことを実感した。
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