4(糸田家の人々)

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「俺、ご飯食べようかな。二人は食べたの?」 「さっき食べたわよ。お父さんとお母さん、出かけるから。」 そうですか、お出かけですか。 「どちらに行かれるんでしょうか?」 「静岡までお花見。ついでに温泉に入って美味しいモノ食べて帰ってくるから。」 「あっそ。気を付けてね。」 昨日の夜、飲んでたよなぁ、それなりに。 翌朝にはケロッとして元気に遊びに行くって、この人達、めちゃくちゃ元気だな。 二人を居間に置いて台所でどんぶりにご飯をよそって、冷蔵庫からキムチを出す。 味噌汁もまだあるし、温かいな。 味噌汁もいっとこ。 キムチって美味しいよなぁ。 俺の大好物のキムチ。 冷蔵庫に常備されてる。 時々、妹に夕飯の材料にされる。 豚キムチ。 それも美味いから文句は言えないけど、やっぱり白いご飯にキムチは間違いなく美味い。 居間でごそごそしてる音がしてると思ったら、出かけるらしい両親。 「真一、出かけるから。あっ、次郎君に会ったら自分の家だと思ってゆっくりしていってって言っておいて。シャワー浴びるならどうぞって伝えておいてね。置手紙残しておいたけど♪」 陽気に出ていく母親の後ろから父親も。 「次郎君にもっと欲しかったら昨日の引き出しのところにまだあるからご自由にどうぞって伝えておいてくれ。真一も欲しかったら持ってっていいぞ。」 ニヤリと笑って出て行った。 なんちゅう親だよ。 キムチご飯を一人で頬張る俺。 あの両親を見てると、俺、自分が常識人な気がする。 美咲は・・・俺よりも堅物だよなぁ。 俺と美咲は親があんなんだからまともに育ったんだな。 反面教師だ。
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