第1章

4/4
前へ
/4ページ
次へ
「こんぺいとうの踊り」 ♯ スモーキーグレイのシャツに 揺れ揺れるガラスビーズが色を落としぬ ♯ 硬質な美しい人が ふと笑い ちらりと見える 歯を また望む ♯ 探り合う 会話は耳をすり抜けて クスクス笑う声を拾った ♯ ほろ酔いのまま二次会に 流れゆく 縁石に乗る彼女に添いて ♯ フラフラと彼女が揺れる その度に ピアスも揺れて 僕も揺れてた ♯ 作り物めいた出会いで ほんの少し お菓子のようなキスを交わした ♯ こんな夜は もうないかもと思いつつ 案外続く 予感もしてた ♯ 期待する歳ではないし 痛い目も それなりに ほら あったんだけど ♯ 月光の下で 子供のように手を 繋いで 道を渡って笑う ♯ 本当は君には相手がいたりして 聞かない僕の甘い狡さよ ♯ くすぐったい 夜に毛布にくるまって 小さな甘い刺を舐めあう ♯ ああそうか、 君と僕とは似てるんだ そんな誤解をしてみたい夜 ♯ 甘くって小さくて 交わす度 溶けて 最後にジャリっと 泣かないけどさ ♯ 悔やむなら 確かなものにするくらい わかってたんだ そう、わかってた ♯ 本当は今も時々思い出す 小さな星を 手のひらに飼う
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加